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  • 2016.12.04 Sunday
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ショートストーリー

桜華乱舞

桜もすっかり葉っぱになりましたねー。

でもまだまだ桜は終わってないね。

山桜はまだまだ咲いててまだ見ごろです。

北海道とかあっちの方はまだ満開じゃないのかな。

ということで今回はもういっちょ桜がらみします。

次は翡翠だよ。

あと今回と前回の話のあとがき的な解説もまたいつか書きたいなと。

小説の中ではなかなかかけないことも多いので。

とりあえず読んでくださーい。

では続きからどうぞー。

 「翡翠にいちゃーん!!また来てくれたの?」

「おう。・・・・これやるよ。」

「わぁ、みたらし団子!!ありがとう!!」

「ありがとう!!」

とある長屋に住んでいる子供達に合うのが最近の翡翠の日課となっていたのだった。

ここの長屋には2人の兄弟が住んでるのだ。

そしてのこ達の面倒見てる男が1人いるのだが、一週間ほど出なければならないというこで翡翠が面倒を見ているのだった。

その男は茂といってまだ30歳くらいで翡翠とは釣り仲間なのだ。

何でも旧友がこちらの近くまで来るから一緒に花見に行くらしい。

「翡翠兄ちゃん今日は何するのー?」

「そうだな・・・・何がしたい?」

「うーん・・・鬼ごっこ!!」

「3人で・・・・か?」

「「うん!!」」

兄弟はにかっと笑ってうなずいた。


兄の名前は翔。活発でしっかりしている10歳だ。

弟の名前は昇。兄にいっつもぴっとりくっついている甘えん坊な6歳だ。

二人は早くに親が死に、遠戚にあたる茂が面倒をみているらしい。



夕方から夜はまた別の女の人が面倒をみるので夕方はその女の人が来ると翡翠は二人と別れを告げて帰った。

家(というか紅牙の家)に帰ると蒼太が夕飯の準備をしていた。

「あ、おかえりー翡翠。毎日大変だねー」

「・・・そうでも、ない。」

くすくすと笑って蒼太は台所へ戻る。

居間へ行くと紅牙と菊和がいた。

しかし咲羅がいない。

「咲羅は?」

「何か偉い人の宴会で踊るから遅くなるって。」

咲羅は踊り子なのでこういうことはしょっちゅうだ。

特にこの時期は花見によく呼ばれるようだ。

「そういえば翡翠っていつも何してるの?」

いきなりの問いに翡翠は目を丸くした。

「だって蒼太は陰陽師だし私は剣術の指南してるし咲羅は踊り手だし。紅牙は・・・・あ、あんたも何してるの?」

「俺は一応ここの跡取り息子なんだが。」

「仕事してないじゃない。」

「最低限はしてるっての・・・・」

「で、翡翠は?」

「・・・・・・・・・・・・・。」

何、と聞かれると何もしていない。

何か稼いでくるわけでもなく。

だからといって家にずっといるわけでもなく。

たまたま今は子供達の面倒をみているが。

「今は・・知り合いの子供の面倒をみてる。」

「ふーん・・・・」

菊和はまだ聞きたそうだったが翡翠が思った以上に困惑していたのでやめた。

(何を・・・・・してるか、か・・・・。)





次の日はとても天気がいいので桜を見に行った。

満開の時より少し遅いので桜は散り際だったが、それはとても美しかった。

「わぁ・・・・綺麗!!!」

「きれい!!!」

翔と昇ははしゃいで舞い落ちる桜の花びらを取ろうとぴょんぴょんと飛ぶ。

かすかに微笑んで翡翠は二人を眺める。

子供というのはなんて無垢で明るいのだろう。

すると二人が駆け寄ってきた。

何かを抱えているようだ。

二人は座っている翡翠の両側に立って、それっと抱えている腕を思い切りほどいた。

すると翡翠の視界は淡い桃色に染まった。

「どう?綺麗でしょう!!」

「きれいきれい!!」

二人はニコニコと少しいたずらな笑いで驚いている翡翠を見る。

彼らが撒いた桜の花びらの余韻と彼らのくったくない笑顔に翡翠はふっと笑って二人の頭をくしゃくしゃとなでた。

二人は嬉しそうに翡翠に飛びついた。


夕方いつものように女が来たので帰る準備をしていると兄弟が寂しそうな顔をしてこっちをみていた。

「どうした?」

「翡翠兄ちゃん明日来たらもううちには来ないの?」

そう、明日の夕方に茂は帰ってくるので明日が最後となる。だが。

「そんなことはない。また会いにくるさ。それに、まだ明日があるだろう?」

「・・・・そうだね!!また明日、兄ちゃん!!」

「またあした!!」

元気のいい二人の兄弟に見送られて翡翠は帰路についた。

その様子を女は不思議な色をたたえた瞳で見ていた。




夜、寝静まった頃に戸をたたく音がして出るとそこには息を切らせた翔が顔を青くして翡翠のもとへやってきた。

「翔!!?どうした!!」

その尋常ではない翔の焦りから翡翠はただならぬ事態だと悟った。

「ひ、すい・・・兄ちゃん・・・・昇が・・・・」

「昇が、どうした・・・!?」

ぜぇぜぇと苦しそうな息でとぎれとぎれに言った。

「昇・・・が・・攫われたんだ・・・!!」

「な・・・んだと・・。」

「昇を・・・助けて・・・!!」

「どこに行ったかわかるか!!?」

「桜の・・・方・・・・」

翡翠はどたどたと武器をとりに行った。

そして泣きじゃくっている翔を起きてきた蒼太にたくして上弦の月の明るい夜道を駆けていった。



はらりはらりと月明かりに照らされた花びらが美しい。

そしてそこには1人の人の影と得体の知れない黒い影。

翡翠はその人影に抱えられた小さな子供をみつけた。

そして月光に照らし出された犯人。

「お前は・・・・・」

女だった。

夜から朝にかけて二人を面倒みていたあの女だった。

いつも下のほうでくくっていた長い波打った髪はほどかれ風にゆれている。

「思ったより早かったねぇ・・・・。」

妖艶な笑みを浮かべて女はからかうように言った。

「翡翠、といったかい?そんな眉間にしわをよせていたらせっかくの男前が翳っちまうよ?」

「黙れ。」

低くうなるような声で翡翠は女を睨んで言った。

「その子供を放せ。」

「嫌だよ。この子にはこいつらの餌になってもらうんだから。」

そこで翡翠は女の得体の知れない影が何なのか気づいた。

「そう、この子たちは何より人間の子供が好きでねぇ・・・」

不気味なうなり声は獣が餌を欲する時のうなりそのものだ。

「この子達は獣じゃないよ、お兄さん。妖魔っていうのさ。普通の得物じゃこの子達は斬れないよ?」

その言葉を聞いて翡翠は低く笑った。

「普通の得物、だと?」

じゃらっと鎖の音が闇に響く。

月明かりに反射して鈍く光る鎖の先には丸い刃がついている不思議な形状の武器。

「なんだい?そのへんてこな形の武器は。」

嘲笑うように言う女の横を銀の閃光が走り、黒い影がひとつ音を立てて倒れた。

「俺のこの武器はどんな命だろうと絶つ。」

「ちっ。お前達!行け!」

その声とともに5つの影が翡翠を取り囲んだ。

「・・・・・・・・・。」

冷ややかな澄んだ青い瞳を5匹の黒い妖魔に向けた。

どこか哀れみの色をたたえて。

ふっと月が雲影に隠れた瞬間青い光は動いた。

銀と青い光が桜と舞うように暗闇で動く。

金属のこすれあう音と妖魔の飢えたうなり声と断末魔。

一瞬だった。

再び月が顔を出した時には桜が不自然に舞う中赤黒く染まった地に5つの黒い塊が横たわる中央で凍えるような冷たい眼差しを女に向けていた。

翡翠の鮮やかな若葉色の髪は妖魔の血で赤黒くくすんでいた。

「よくも私のかわいい妖魔たちを・・・・・・・・・。仕方ない。」

そう女はつぶやいて女は闇へ消えた。

昇を置いて。

昇のところまで行って連れて帰ろうと昇を抱こうとしてその手を止めた。

手には妖魔の血がこびりついていた。

その時だった。

「いいよ、翡翠。僕が連れて行く。」

蒼太だった。

蒼太は物言いたげな悲しい顔をしたが、何も言わずに去っていった。

どうやら彼は翔に場所を聞いて翡翠を追ってきたらしい。

1人になった翡翠は桜の舞う中しばらく1人で月を眺めていた。





昔から汚れ仕事は慣れっこだった。

いつからだろうか。命を奪うということに関して哀しさを覚えたのは。




汚れを清め、帰る頃には朝となっていた。

兄は気を失っている弟を見てかなり衝撃をうけたらしく何を言ってもただ涙を流すばかりだったらしい。

弟が起きるなり二人はおお泣きをして気が緩み翡翠が戻るころには目を腫らして寝ていた。

「昇くん・・・無事でよかったね。」

蒼太は昇の髪を手の甲でやさしく撫でながら微笑んだ。

「俺は・・・・」

「翡翠、ありがとう。」

「?」

蒼太は視線を昇から翡翠に変えて笑った。

「ありがとう、って二人が。・・・・・・・・・ねぇ、翡翠。次からはちゃんと僕達を呼んでね。一人で戦っちゃだめだよ?」

「・・・・・。」


昼前には二人はすっかり元気になり、朝ごはんを食べた。

そして翡翠と三人で長屋へと戻った。

あまりしたくないことだったが蒼太に二人の夜の出来事を記憶を消してもらった。

そのほうがいいと判断したからだ。

長屋へ着くと茂がいた。

予定よりも早い。

三人を見つけるなり茂は嬉しそうに手を振った。

そして兄弟は茂に駆け寄っていって抱きついた。

翡翠はそれを遠くから眺めて三人に一礼をして帰ろうと背を向けた。

そして去ろうと歩き出そうとする背に元気な声がかかった。

「「翡翠にいちゃーん!!また遊びに来てねー!!!」」

翡翠は振り返らずに手を上げて去っていった。

そしてかすかに笑みを浮かべてつぶやいた。



「ありがとう。」






  • 2011.04.19 Tuesday
  • 18:41

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