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  • 2016.12.04 Sunday
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彩雲Contrast

彩雲Contrast 第7時限【心配の先】 〜リメイク版〜

とうとう早いもので10月です。

 

暑かったり寒かったり

 

この季節は服装に悩みます。

 

皆様お体には気を付けて。

 

 

 

 

”遥斗は……桜木遥斗は、命を狙われて、ココに逃げてきたんだ”

 

 

アルの声が脳内再生される。

「…逃げて、きた…?」

シバはない頭で考える。遥斗は確かに、命を狙われてもおかしくはない。だが、彼の、彼が本当に〈いるべき場所〉ほど安全な場所はないはず。あそこは、外部の者からは目視できず、そもそも認知すらされていないのだ。彼の〈いるべき場所〉から出たほうが、危険が高まる。なのに、なぜ―――。

 

”先ほどの質問には答えた。……頼む、遥斗をここから連れ出さないでくれ”

 

アルの声が響く。シバの目にはアルの姿は見えない。だが―――

「―――…アル…」

アルが顔を伏せて懇願しているのが、安易に想像できた。

ひとまずシバは抱えている遥斗を背負い、元のベッドの上に寝かせた。そして、アルのほうに向き直した。

「…少なくとも、遥斗様がここにいなくちゃならない理由があるのなら、ここから連れ出すつもりはない。」

「だが、…ここは、安全、と言い切れないだろう。ここは、治外法権の場。何があってもおかしくない…。遥斗様ほどの実力があればよほどのことがない限り大丈夫だろうが…もし、万が一、があったらどうする?」

「俺はほかにも仕事がある。だから簡単には、すぐには駆けつけられないぞ?」

この学園は特殊な場。選ばれた人間しか、見ることも、入ることもできない。しかし逆に、選ばれた人間ならば誰でも入れる場所である。つまり、少なくとも常人の域でない人間がここにくるのだ。遥斗は基本的に武術面では右に出るものはいないレベルではあるが、普通でない人間であれば武術が通用しない場合もある。それは、遥斗の命が危機にさらされることも差す。

「アル、お前は―――」

 

 

「失礼します!桜木遥斗が倒れたって…!」

 

 

勢いよくドアが開け放たれ、同時に女性の声が響いた。

現れたのは、茶色の髪色をした真面目そうな女子学生。と、黒髪のメガネをした男子学生。入ってまず、男子学生のほうがシバに気付いた。

「…初めまして、'双剣のシバ'様ですね。私は、知識の部所属、海早那津と申します。お騒がしくして申し訳ありません。」

敬意を払い、腰を曲げて挨拶をしたのは那津だった。その様子を見て、あわてて女子学生も腰を曲げて自己紹介をした。

「し、失礼しました!私は魔術の部所属、月城亜樹、と申します。ご挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。」

丁寧にあいさつをした亜樹は、すぐに遥斗の横たわるベッドに駆け寄った。

「遥斗!大丈夫!?」

亜樹の声が届いたのか、遥斗が静かに目を覚ました。ぼやける視界で、一番最初に目にしたのは亜樹だった。

「…亜樹…?」

小さく声を出す遥斗を見て、亜樹は安堵の表情を浮かべた。

「…よかった。もう大丈夫?」

「ん、まぁ…まだ頭は痛いけど…」

特に顔色は悪くなさそうだ。遥斗が倒れたという話を聞いて急いで駆け付けたが、問題はないようだ。

那津は静かに遥斗らのそばに行き、いつものようなポーカーフェイスで亜樹に声をかけた。

「ほらな、遥斗は生命力の塊のような奴だから大丈夫だ。それに、馬鹿だから何も問題ない。」

「ちょっと待てよ那津…それは、馬鹿だから風邪ひかないって言いたいのか?」

「あぁ」

 

ブハッ

 

誰かが笑い始めた。周りを見ると、シバが腹を抱えて笑っていた。

「ッ…!いや、わるい…仮にも倒れたやつに対していう言葉じゃないだろうに…」

シバが知る遥斗は強すぎる故に孤独で、だれにも心を開かないような子だった。だけれど…。

「友達が来たみたいだし、俺は一旦教師らに現状報告してくるわ。ちょっとみといてやってね。」

そういってシバは保健室を出る。そして、ドアを閉めたところで。

「…どうやら、俺は心配しすぎてるみたいだな。遥斗様にも、友達ができた。心配してくれるような友達が。アル、まだ気になるとこはあるが、とりあえず、彼らの前ではこの話は一旦お預けだ。じゃな。」

そういって保健室をあとにした。アルはその後ろ姿を、静かに見つめた。

”…シバ…”

 

「……アル、…大、丈夫、だっ、た?」

 

とぎれとぎれの言葉がアルの耳に入ってきた。振り返るとそこには黒髪ポニーテールの女子学生が。

「なにか、アル、が、不安定、だっ、た気がした、から…」

芙由実はしっかりとアルの目を見つめる。今となっては唯一アルを目視できる人物だ。アルは言葉を発さず、首を横に振り、芙蓉実に笑顔を向けた。大丈夫、と言わんばかりに。それを見て、察したのか、芙由実は

「そう…」

といって保健室の中に入っていった。彼女も遥斗が心配だったようだ。保健室の中が騒がしくなる。保健室の中からする楽しげな声を聴きながら、アルは微笑んだ。

 

”願わくば、この時間が長く続きますように―――”

  • 2016.10.02 Sunday
  • 18:10

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  • 2016.12.04 Sunday
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