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  • 2016.12.04 Sunday
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ショートストーリー

ある青き月の話 続

ある青き月の話

 

続きです。

 

本当なら一話完結にしたかったんですが

 

一話にするには長かったので…

 

 

おそらく最後は、え?これで終わりなの?

 

と思われると思います。

 

そう思っていただけたらこれ幸いです。

 

ちょっと不思議な、地球上ではない場所での日常を切り取ったお話が書きたかったので。

 

 

すべての、「変化を迎えよう」、「変化したい」、「変化しなくてはならない」

そんな方に届けばうれしいです。

 

自分だけにとらわれないで。周りをちゃんと見て。

 

そう、自分自身にも言い聞かせて。

 

 

 

では、ある青き月の話 続きをどうぞ。

『…だからこそ、君にはここから離れて欲しいんだ。』

 

 

 

住むモノは一瞬、思考を停止した。蒼き月の言葉が飲み込めなかった。

 

『嫌いとかじゃ無い、好きだから、大切だから言わせて欲しいんだ。』

 

住むモノの思考が追いつく前に青き月は言葉を紡いでゆく。

 

『…私はね、青き星をひたすら見るだけしかできない。動きたくても、決められた道に従って動くしかできない。でも、君は違う。毎日同じように動かなくても構わない。』

 

君が毎日決められたように動かなくてもいいということには意味があると思うんだ。』

 

『君は私に縛られている必要はないんだ。』

 

住むモノは納得できなかった。確かに、住むモノが青き月と話すのは決められたことではない、ただ住むモノの意思で行っていることだ。しかし

 

「…確かに、私は自分が決めて動いている。義務で動いてるわけではない。君に縛られているわけも、必要もない。」

 

「が」

 

「そこに意味を見出す必要はない。」

 

住むモノは力強い言葉で言い放つ。

 

「当事者である私が望んでいないのだから。」

 

静かに流れる沈黙。青き月も、住むモノも沈黙していた。次に紡ぐ言葉が出てこない。

 

住むモノは、自分で分かっていた。これはただの、屁理屈だと。

自分が青き月と違って、たとえ青き月の上だけだとしても、自由に動ける、ということには、意味がある。

きっとそれは、神と呼ばれるものがいるなら。住むモノを存在させて、何か変化をもたらしたいということ。

自分が神なら、きっと、いや、必ずそうする。

だから、青き月が言った、意味がある、という言葉は正しい。頭では理解している。

だが。

意味を見出す、ということは。これまで考えなかったことを考えるということは。

こうして過ごすことに変化が生まれるということ。こうして青き月と過ごすことができなくなるかもしれないということ。

…怖い。この環境を、この状態を失うことが怖い。

今を失うと、自分がどうなるのかわからない。何が起きるかわからない。

その感情から、住むモノは青き月の意見を受け入れられなかった。

 

しばらくの間、お互いに黙り、時間をもてあそんでいた。それだけそうしていたのだろう。長い、ながい時間が経ち、

 

『…きみは。』

 

しばらくの沈黙を破ったのは青き月だった。

 

『きみは、変化が怖いんだね。』

 

青き月は静かに語る。

 

『私は、君と違って、変化があってもそれを受け入れるしかできない。拒絶ができない。』

『だから、変化に対して、怖いという感情を捨ててしまった。いや、元から持っていなかったのかもしれない。』

『そう、だからこそ。私は君という存在がなにかを持っているようにしか思えない。』

『…変化によって君がどう変化するのかは分からない。』

『変化を見ている私にも予想はつかない。』

『だけれど』

 

『私は君を、…君が、一番大切であることは間違いない。そして、忘れることも、ない。』

 

静かに聞いていた住むモノは、その言葉に反応した。その様子を知ってか知らずか、青き月はそのまま言葉を紡ぐ。

 

『たくさんの変化を見ていても、私は変わらなかった。変化をしたからと言って、変化した対象にそれまでと違った感情を抱くこともなかった。だから、私は、今君に抱いている、大切だという感情は失わない。』

 

「…そうか。」

 

ようやく、住むモノは口を開いた。

 

「青き月の言葉を聞いて、ずいぶんと安心した。」

「どれだけ変化しても変わらぬものがある、ということか。」

「……そのことばが、そういってくれる存在が、これほど大事とはね。」

 

住むモノは、青き月同様に、青き星を見つめて、語る。

 

「変化は恐ろしい。でも。」

「その変化すら受け入れ、変わらぬ態度で接してくれる存在がいるだけで、恐怖が激減したよ。」

「ならばこそ」

 

 

「―――私は、青き月のためにも、変化を受け入れよう―――」

 

 

 

 

 

Fin

  • 2016.11.07 Monday
  • 23:17

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  • 2016.12.04 Sunday
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