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  • 2016.12.04 Sunday
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風の吹くままに

第弐話:物好き

 月城亜樹と名乗った少女につれられてやってきたのは彼女の家だったが。

「え〜っと、ここは?」

倒れた(伸びた)少女の父を担いでついた場所は宿というよりはさびれた屋敷だ。

とても宿とは思えない。

「うちよ。宿屋なのよ。」

「宿屋ねえ・・・。」

「・・・ぼろいっていうんでしょ?」

「わかってるやん。」

そう言うとぼかっと殴られた。

「しょうがないのよ・・・・。」

「どうして?」

すると少女は向かいを指差した。

その先をたどると、そこには綺麗で立派な宿が建っていた。

客足も絶えない。

「なんか今すごく人気で、サービスがいいんだって。」

「なるほどなあ。そりゃ俺でもあっち行くわ。なあ毬之助。」

「にゃあ♪」

「わるかったわね。そりゃサービスもできるものならしているわ。」

「?なんでやらへんの?」

「お金がないのよ。」

「ほう。なんで?」

「客が入らないからよ。こんなぼろいし・・・。来るのは物好きだけよ。」

「物好き?」

「誰が物好きだ。」

ふいに後ろから声がした。

振り向くとそこには一人の少年が立っていた。

「誰?物好き?」

「違う。俺は海早。海早那津だ。ここには大きい蔵があるからそこに俺の本とか入れてもらっているんだ。だからこうしてここに来ている。決して物好きじゃない。」

黒いさらさらの髪に眼鏡をしたいかにも知的な男子だ。

「那津。もう帰るの?」

「いや、そろそろ親父さん連れてくるかなと思って。で?それ誰?」

「それやない。遥斗や。桜木遥斗!」

「ふ〜ん。遥斗ね。で?その無理やりの関西弁は何?」

「え・・・?」

それを聞いた遥斗の表情が一瞬こわばった。

「・・・・・何のこと?」

「いや、俺は何年か前に関西にいたが・・・わずかにお前の関西弁は発音が違う。」

すると遥斗はくしゃっと前髪をかきあげて笑った。

「かなんな・・・。正解。俺は別に関西人じゃない。だが、人前やからまがいなりにも関西弁使わせてもらうで。」

「どうして?」

「内緒や。・・・それより、君も普通じゃないよなぁ?」

すると那津は不適に笑っただけで何も言わなかった。

「ちょ、私置いてけぼり?」

ずっとそれを横で聞いていた亜樹は不機嫌そうに二人をにらんだ。

「ごめんごめん。・・・それよりあの宿匂うなぁ・・・。」

「は?」

そのとき亜樹が見た遥斗の表情は楽しそうだった。

まるで獣のような顔をして。

「亜樹ちゃん、俺あの宿に泊まるよ。」

「は!?」

「いや、これは面白そうだなと。」



その後、遥斗は向かいの宿、”白梅”という宿に泊まることにしたのだった。
  • 2009.06.20 Saturday
  • 21:01

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