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  • 2016.12.04 Sunday
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風の吹くままに

第七話:反対者

  「よぉ、久しぶりだなぁ梅宮に鶴岡。といっても、鶴岡とはあまり会ったことなかったか。」

二本の剣を抜いた。柄の一番端には二つの小さい輪と一つの大きな輪を赤い紐で飾っている。

「脱走してもなお、その剣は捨てなんだか。服の桜が白から桃色に変わっているのには悲しみを感じたぞ。」

梅宮はうれしそうに言った。

「そんな言い方しても帰らないからな。」

「だから力ずくでもって連れて帰るからな。」

そう言って二人はその場に静かに立った。

少し足を動かすと、畳の擦れる音がする。

三人が構えると空気が一瞬で変わった。

「ここで暴れる気か?」

その殺気にまみれた空気は他の者をも近づけぬというものだが、その男はものともせずに入ってきた。

「那津・・・」

「亜樹は今買い物に出ているが、暴れると後がしんどい。」

「わかった。」



所変わって何もない丘。

決闘とはまさにこういう所でやるものだろう。

しかも雨まで降っている。

「まるで芝居のようだね。」

相も変わらずにこにこと笑顔の梅宮が言う。

「で、その方は桜木の助太刀をするか?」

鶴岡はぎっと那津を睨んだ。

「まっさか。俺はただの人ですから。」

「嘘つけ。お前、忍だろう?」

鶴岡はさらに機嫌の悪い顔をした。

「手出しはしない。いいだろ?遥斗。」

「絶対にするんじゃねぇぞ。」

「了解。」

そして那津はすっとさがった。

「梅宮、お前も手出しすんじゃねぇぞ。」

「どうぞ、ご勝手に。」

そう言って梅宮も溜息をしつつさがった。

「いいのかい?槍の鬼さん。俺は強いよ?」

槍の鬼とは鶴岡の異名だ。その強さと風貌の怖さからついた名だ。

「ふんっ、お前など一ひねりだ。」

そう言って二人が構える。

雨が少し和らいだ瞬間二人は動いた。

鶴岡の槍が遥斗の頭上に振り下ろされる。

それを二本の剣で受け止めた。

そのまま弾かれるように二人は後ろへ飛びのいた。

そして次は遥斗が右の剣で攻撃をしかけた。

鶴岡は走って向かってくる遥斗の剣を槍でうけとめる。

「なんだこんなもんかよ。」

ふんっと鶴岡は鼻で笑った。

しかし、遥斗は笑っていた。

「それはこっちの台詞だぜ。」

かがんだ体勢から鶴岡を上目に睨んで、左手の剣を振り上げた。

それをよけきれなかった鶴岡は少しよろめいた。

「まだまだぁ!!」

そう言って突きの構えでかかってきた。

「この突きから逃れた者はかつて一人しかいない!!その最強の突き、受けてみよ!!!」

走ってくる鶴岡に向かいもせず、ただ遥斗は静かに立っていた。

「一人でも破られた時点で最強じゃねぇんだよ。」

一瞬瞳が光ったと思うと、その姿は一瞬にして走ってくる鶴岡の後ろにあった。

鶴岡は今目指して走っていた獲物が突然消えたことによって動きが止まった。

「な・・・・」

そっと後ろを振り返るとまるで鏡のようにさっきと同じ体勢で背後に立っていた。

「甘かったな。」

そのまま背中に刀ですごい勢いで切りつけた。

「がっっはっ・・・!」

しかし、血は出ない。

「俺は無駄な殺生はしない。お前は決して悪い奴じゃない。だからもう・・・・・・」

「暗殺稼業なんざやめちまえってか?」

梅宮があきれたように言った。

「そうだ。あんな仕事、この世のもんじゃねえ。」

「だからって仲間倒しちゃうなんて。」

「・・・・・は?」

梅宮はこちらに歩み寄って、そのまま遥斗を通りすぎて倒れた鶴岡の前でしゃがんだ。

「まぁ、こいつはお前を殺すつもりだったようだが・・・。」

「お前は違うってか?」

「俺だってこの仕事が好きってわけじゃない。いや、好きな奴なんかいないんだ。ただ、一度やってしまうと中毒のようになってしまう。」

「何が言いたい?」

すくっと梅宮は立ち上がって遥斗の方を向いた。

「俺もお前と同じ。他の奴らみたいに中毒症状にはならなかった。そしてこの仕事が大嫌いだ。だがな、帰らなきゃならねぇ。」

それを聞いた遥斗ははっと鼻で笑って怒鳴った。

「なら帰って伝えろ。俺を連れ戻したかったら全員引き連れて江戸まで来いってな!!」

  • 2009.07.04 Saturday
  • 20:37

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  • 2016.12.04 Sunday
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