Calender

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

Categories

Archives

Recent Entries

Recent Comment

w closet×JUGEM

-

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2016.12.04 Sunday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

風の吹くままに

第八話:月夜

 「遥斗!!こっちのお客様案内しなさい!!」

「はい!!」

雨の日の決闘(?)から二日。

あの後、梅宮は目が覚めた鶴岡と京へ帰った。

こうもあっさり帰ってくれるとは思わなかったが、すぐに江戸に来るだろう。

だから、それまで江戸中を逃げ回って、迷惑をかけまいと考えたのだが。

「はぁ!?何言ってんの!?ただで泊まっていくつもり?ここで働いて返しなさい!!!」

という亜樹の御達しがでたので、断るにも断るのが怖かった。

ということで雑事をし、客入れのために宿前でちょっとした技を見せつつチラシをばらまいて、夜には剣舞を有料で見せている。

なかなかしんどい。

その代わり、ちゃんと仕事代もでるし、宿も大繁盛だ。

「あ〜、すっごく儲かる!!ありがとう遥斗!!」

「京で花形やってたんだ。なめるなよ♪」

得意げに笑って、刀を担いで去っていった。

その背中は少しの喜びと、少しの不安が揺らいでいるようだった。



 「あら、お帰り梅宮。早いわね。」

「やぁ、桔梗。」

ほの暗い部屋にぽっと蝋燭がともされた。

梅宮と鶴岡の視線の先には黒真珠のような黒髪がすこし波打って、少し濃いめの化粧にもかかわらずけばくない、すこし怪しい雰囲気をした女が立っていた。

「あら、桜の坊やは?」

「いや、鶴岡がやられちゃって。そのまま引き返してきちゃった。」

「やられちゃったの。まあ坊やは強いものね。でもあなたなら勝てたでしょ?”雪櫻”一の剣豪さん♪」

「いや〜それがね、あいつもう戦うのはやだって言うんで。」

「あら、同情したの?」

怪しい笑みが蝋燭の灯火に浮かぶ。

「俺はね。あと、何で暗殺稼業やるんだって言うから、皆中毒症状に近いって言っといた。」

「中毒!?もう少しましな表現ないの?」

桔梗は手を口元にあてて声をころして笑いながら言った。

「面倒だったんだよ。でも今思えばもっと違う言い方があったかなと思うけどね。」

「そうね、私達はこれしかできないってのが正解ね。」

「芸はできるよ。」

苦笑まじりに言って、そのまま窓から月を見上げた。

外はもう梅雨明けの兆しか、雲ひとつない見事な月夜だった。

  • 2009.07.18 Saturday
  • 15:56

-

スポンサーサイト

  • 2016.12.04 Sunday
  • 15:56
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

Comment
Send Comment








   
この記事のトラックバックURL
Trackback